まとめ記事(コンテンツ)

2024/04/07

元祖スロコン装着車? (前編)


その昔、マツダのK型エンジンというと、よく言われたのが「低速からトルクがあって、吹き上がりも非常にスムーズ。さすがはポルシェの技術が入っているだけの事はある」という評価でした。

実際、素人だけではなく、多くの自動車評論家も「低速からトルクがありレスポンスも良いため、アクセルに軽く足を乗せるだけで流れをリードできる実力を持ったエンジン」だなどと評していました(その反面、「トルクがありすぎるが故に、タウンユースや渋滞時などではアクセルワークに気をつけないと、ギクシャクした走りになってしまう」とも書かれていた)

さて、本当にポルシェの技術が入っているのかはともかく、自分が一時期K型エンジンのユーザーになって感じたのは、確かにスムーズですが、同時期の他社製V6に比べて特段優れているとまでは言えず、個人的には中の上くらいの評価です。


じゃあ、評論家も含めて嘘を言っていたのかというと、そうではなく、
実は、スロットルのトリックに騙されていた人が多かったのだと思います。


どういう事かというと、実はこの車、ワイヤーの遊びを極限にまで縮めて、しかもスロットルレバーのワイヤーを巻く部分(名称不明なので、以下ボビンと呼ぶ)を小径化することで、アクセルに足を乗せた瞬間からスロットルバルブが開き、その後も一気に吹け上がるという、MTのスポーツカーみたいなセッティングになっているのです。

実際、修理書を見ると遊びの基準値が、何と1~3ミリになっています(3ミリはともかく、1ミリなんて遊びがないに等しい・・・)
ちなみに、ATのセダンならば遊びは5~7ミリ程度が普通で、ちょっと詰め気味でも3~5ミリ程度。
なお、昔の王道を歩んでいた頃のベンツなどは、扱いやすさ=長距離を運転しても疲れないように、この遊びを結構大きめに取っていたそうです。

また、ボビンの半径も実測で約26ミリと小さくなっています。
これもちなみに、手近にあった他の車の半径を測ったら、約29~約33ミリでした。


つまり、ミレーニアの場合、アクセルに足を乗せた瞬間からエンジンが反応し、その後もアクセルを同じ量だけ踏んだとしても、他車より1~2.5割ぐらい余計にスロットルバルブが開くようになっているのです(=ドッカンアクセル)
そりゃあ速く感じますよ・・・

もっとも、注意深く観察すれば、これらの挙動がエンジンの特性のせいではなく、スロットルの方をいじってるんじゃないか?と見抜けるはずですが・・・
そもそも、評論家ならば「可変バルタイも付いていないのに(※1)、ちょっと変だな?」と思わないと失格ですよね。

もちろん中には、「もう少し穏やかなペダル(特性)のほうが良い」と言うベテラン評論家もいましたが、若手は軒並み「エンジンのトルクがありすぎるが故に、アクセルワークに気をつけないとギクシャクした走りになる」なんて書いていました(※2)


続く

注釈
※1
VRISなる可変共鳴過給システムはついていましたが、これも80年代なら自慢できましたが(例えば87年のトヨタACIS)、可変バルブのシリウスダッシュ以降、V-TECやMIVEC、VVT、NVCSなど、各社から可変バルタイが出揃った90年代には陳腐化し、いつまでもカタログに堂々と記載していたのはマツダぐらいです。

※2
ちょっと気になって調べたら、彼(彼女)らも今ではAJAJの理事だったり、World Car Awardsの選考委員だったりと、もはやベテランの領域ですので、きっと違いのわかる男(女)になっているとは思いますが。
Posted at 2024/04/07 10:59:27

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