こんにちは。
カービューでtradecarview(中古車輸出支援サイト)の開発を担当しておりますKです。
先日、ビッグサイトで開催されていた「スマートグリッド展2011」&「次世代自動車産業展2011」に行ってきました。
みんカラのスタッフブログでレポートを書かせていただくこととなったのですが、こういった文章に不慣れで読みづらい点が多々あるかと思います。
内容的にも、個人的な主観や興味に偏る部分が多くなってしまいましたが、どうかご容赦ください。
今回は、日頃から興味のあるEVを重点的に「次世代自動車産業展2011」を見学してきました。
後半に少し「スマートグリッド展2011」にも触れています。
体験ものが好きな私が、まず始めに向かったのは
「電動バスの試乗会」です。
早稲田大学先進電動マイクロバス”WEB-3”に乗客として乗り、ビッグサイトの周辺の公道を約15分走りました。
走り始めた瞬間、バスとは思えないほど
静かで揺れが少ない事に驚きました。
走行中に若干の揺れはありましたが、サスペンションやタイヤからのもので、モーター(動力源)から来るものではありませんでした。
信号待ちで停車すると揺れは無くなります。ガソリン車で無意識のうちに慣れているエンジンの揺れがまったくないのが新鮮に感じます。
走行中の音も、ウィーン・・・という小さなモーター音や、タイヤの接道音的な微音のみで、ガソリン車とは比較にならない程静かでした。隣を走っていたトラックやバスの音が大きく聞こえたり、室内のウインカー音など普段気にならないものが気になってきます。
こういった体感は、偶然数週間前に試乗した三菱のi-MiEVとほぼ同様でしたが、比較するとやはり音や揺れはバスの方が少し大きく、同じEVでも軽自動車の方が静かなのだと思いました。
こちらのバスの特徴は、航続距離を伸ばすというEVのセオリーを捨て
短距離走行で小まめに充電するという逆転の発想にあるようです。
実際に想定されている運行パターンとしては、数10kmの距離を約40分間走り、消費した電力を約20分で充電して、合計1時間を1サイクルとして、これをバスの運行ダイヤの時間帯で繰り返すというものです。
バッテリーの重量や体積を減らし、コストも抑えられるというメリットがあります。
また、高頻度な充電を可能とするために、ケーブルの抜き差しが不要な、
“非接触型の充電方式”を採用しているそうです。
写真の装置(電気の送信機)を地面に設置して、バスの車体の下に設けた受信口から電気を受信するとのことです。
つまり、充電装置の上にバスを停車させるだけで充電できるのです。
こちらのバスは販売可能なレベルまできているとのことで、街で走行している姿が見られる日も近いかもしれません。
次に訪れたのは、フキ・プランニングの一人乗り小型EVの試乗です。
試作車ですが、展示会場の裏の駐車場で運転することができました。
EVらしく、低速からのリニアな加速やトルク感が伝わってきました。
狭い道を通ることが多い宅配車などを想定して開発されており、運転席の後ろから全てラゲッジスペースになっていました。なんとも可愛らしい外観です。
続いて向かったのは、YAMAHAの電動バイクの試乗です。
今回は自動車をメインに見学するつもりでしたが、おまけでバイクにも乗ってきました。
ガソリンの50cc原付バイクと感触がまるで違い、電動バイクにまたがりスロットルをひねった瞬間、心地良いモーター音とともに軽く加速していきました。
また、エンジンブレーキの様な抵抗がほとんどないので、一度走り出すとスロットルを戻しても一定の速度で走り続けるような感覚がありました。
充電も
家庭用の100V電源で可能とのことです。これに乗ったら、もう今の原付には戻れそうにありません。
その他、i-MiEVやリーフといった現行EVも展示されていました。
やはりたくさんの人が集まっており関心の高さが伺えました。
日産の担当者の話では、一般家庭で一日に使うくらいの電力をEVに蓄電することも技術的には可能になるだろうとのことでした。
こちらは、山形県立米沢工業高等学校の生徒さん手作りのEVです。
制作期間は3年間で、延べ50人くらいの生徒さん達がクラブ活動で作成し、既にナンバーも取得済みだそうです。
外観もカッコ良く、特にヘッドランプ周りの流線型の形や斜めに落ちていく後ろのラインは私好みでした。
これが高校生の手作りとは・・・!
次に、急速充電器です。
こちらは、電機メーカーやNTTグループなど何社かが出展していました。
全てCHAdeMOという日本発の規格に準拠しており、今のところ、欧米でもこの規格がメインで採用されているそうです。
最大で約50kWの電力を供給するため、ケーブルが太く重たくなっているとのことでしたが、実際に触ってみると想像以上に重く、体感的には2~3Kgはありそうな感じでした。女性にはかなり重たく感じられるのではないかと思います。
家庭用の充電コネクタにも触らせていただきましたが、こちらは
セルフのガソリンスタンドのチャージャーよりも軽く感じられるほどでした。
i-MiEVやリーフには、急速充電器と家庭用充電でそれぞれ別の差し込み口が用意されているのですね。(初めて知りました!)
EVの話ばかりになってしまいましたが・・・
同時に開催されていましたスマートグリッド展も大手の電機メーカーを中心に何社か回ってみました。
各社とも、エネルギーを管理する階層を
1.家庭やビル、工場
2.地域
3.全体
と3段階に分けて進めているように見受けられました。
例えば家庭では、HEMS(Home Energy Management System)を用いて、使用する電力量の計測(見える化)、電気機器の制御(電源ON/OFFの集中制御、遠隔制御)、蓄電などを行い、地域では、家庭を束ねて各家庭の電力の使用状況や余剰データを基に、電力の需供バランスをとり、余っている所から不足している所に供給するなどの制御を行います。
同様に全体では、地域を束ねて地域間で需給バランスをとるといった具合です。
また、太陽光、水力、風力などの自然エネルギーの
小規模発電をスマートグリッドにより有効活用するという近未来像を鮮明に打ち出している印象を受けました。
PC業界が大型汎用機からダウンサイジングして小型化してネットワークに繋がり進化していったように、電力業界もダウンサイジングして分散化してネットワーク上で双方向に電力を供給する流れに向かっていくのかもしれませんね。
以上、長々と書いてしまいましたが、最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。