こんにちは、スタッフKKです。
「BILSTEIN」
ビルシュタイン。ご存知の方多いですよね。
アフターパーツとしてはもちろん、メーカー純正で装着されているクルマもある、サスペンションメーカーです。
ドイツに本拠地を置くビルシュタイン。日本ではアフターパーツとして販売されているビルシュタインについてはみんカラ+でおなじみの「阿部商会」さんが正規代理店として販売しています。
その阿部商会さんから、「千葉にビルシュタインテクニカルセンターという施設があるので見てみませんか?」というお話をいただき、どうやら好きものにはたまらない施設のようなので今回おじゃましてまいりました。
一体どういうところなのでしょうか?
ビルシュタイン テクニカルセンター、略してBTC。千葉県某所にあります。
※住所は非公開
建物全体がビルシュタインカラーです。
いろいろなタイプのビルシュタインサスペンション。
今回はこちらのお二方にお話を伺いしました。ビルシュタインテクニカルセンターの矢代さん(左)と山本さん(右)です。
スタッフKK
※以下KK)
ーこちらでは何を行っているんですか?
矢代さん
※以下矢)
ー車高調タイプのビルシュタインサスペンション開発・設計・製造を行っています。
KK)
ーえっ!?こちらで作ってるんですか!?
矢)
ーそうなんです。もちろん、多くの製品がビルシュタインの本拠地であるドイツで製造されていますが、特に国産車用の製品は日本で開発をすることがあり、その際はこちらで全てを行うんです。最近ではトヨタCH-R用の車高調を開発中です。
な、なんと… てっきり全てドイツで作ってるもんだと思ってました。少し前まではドイツから専門のスタッフが来日して開発していたそうですが、開発開始から試乗に出るまで1年近くかかってしまうため、ドイツでノウハウを勉強した日本のスタッフが国内で開発、製造を行う方法に切り替え、開発スピードを大幅にアップさせたそうです。
どのように設計していくのでしょうか?山本さんに伺いました。
山本さん
※以下山)
ーまず現車の車高、細かなことで言えば、接地しているときのサスペンションの長さなど、ノーマル時のさまざまな数値を計測していきます。
それとノーマルのサスペンション一式を取寄せて、全ての寸法を計ってから設計に入っていきます。
ビルシュタインのこだわりとして、純正のショックの動き幅の長さを守って設計しています。メーカーはサスペンション設計時に、クルマが壊れないようにサスペンションを設計しています。なので純正サスペンションの動く長さを守ることができれば、どんなことが起きてもクルマが壊れないサスペンションを作ることができるんです。
純正サスペンションの動く長さを守ってるんですね。知りませんでした。。
実際にサスペンションになる鋼材を見せて頂きました。
材料はドイツから輸入したもので、これに車種用のブラケットを取り付けて、メッキをかけ、塗装をして仕上げていきます。
底板(そこいた)はサスペンションの要であるロッドの位置を決め、かつ支える部分。この底板の穴の位置出しは非常に重要とのことで、やり方は詳しくを教えてもらえませんでしたが、かなりこだわった方法で加工しているそうです。
ファクトリーを見学しました。思いの外こじんまりしてます。
壁に沢山何かが掛けてあります。
シムです。このシムの組み合わせでサスペンションのセッティングが決まります。ここにかかっているのはよく使われるシムで、シム全てとなるとその種類はものすごい数になるそうです。
ピストンロッドに取り付けられるピストンとシム。そこを流れる油量が変化することでサスペンションのセッティングが決まってきます。
セッティングに合わせて「手組み」していきます。
そうなんです。こじんまりしているのは「手作り」だからなんです。
まさかの手作り。。ビックリです(゚д゚)…
実際にピストンについているシムをバラしていただきました。
こんなにあるの!?セッティング決まる気がしない(汗)しかしそこはビルシュタイン。これまでのノウハウからセッティングを決めることが出来るのです。
セッティングについて、山本さんに伺いました。
KK)
ー開発時にセッティングってどれくらいかかるんですか?
山)
ー車種によってまちまちですが、多いときは60~70回位サスペンションを脱着したりすることがあります。
KK)
ーげ!それ結構しんどいですね。。セッティングが難しい車種とかあったりするんですか?
山)
ー全長が短くて、かつ車重の軽いクルマとかは難しかったりします。全長が短いと前のタイヤが段差を乗り越えてすぐ後ろのタイヤが段差を超えてくるので、動きを決めるのが難しかったりするんです。例えばMINIのクーパーSとかは難しい部類のクルマです。
それと剛性が低くなりがちなオープンカーも、サスペンションが動く前にボディーに動きが逃げたりするので難しい部類に入りますね。
言われてみればなるほど。なんとなくイメージ出来ます。難しいゆえに時間をかけてセッティングしているんですね。
手組み作業を見せていただきました。
専用の機械にケースを挟み込みピストンロッドを入れます。
オイルを入れます。オイルはFUCHS。ガス封入作業は企業秘密とのことで撮影NGでした。
なにしろ何千本と組んできている職人さんなので、あっという間に組んでいきます。速い!
組み上がったら、
洗浄台できれいなオイルを使って洗浄します。
あっという間に完成!
こちらでは秋田名物きりたんぽを焼いています。
嘘です。
ロットの多いものは塗装専門の外注に出しますが、ショップ専売のような小ロットのものはなんと塗装まで行っています。
ファクトリーにはピットがあります。ここで何十回もサスペンションを脱着してセッティングを決めていくんですね。
なるほど、あえて言いますがビルシュタインのサスが高い訳がわかりましたよ!
開発から製造まで、ビルシュタインのこだわりが満載。そもそもまさか設計から日本で作っている製品があったとは。。もちろん使っている素材はドイツから輸入されているもの。そしてそれを作り上げるのは日本人。悪いはずがないですね。。
サスペンション交換を検討中の方、ビルシュタインのサスペンションも候補に入れてみてはいかがでしょうか!?
追伸
ビルシュタイン テクニカルセンターでは只今メカニック募集中!
気になった方は下記URLよりお問い合わせを~!
http://abeshokai.info/recruit/
※5/13(土)掲載開始予定
和気あいあいなメンバーがあなたを待ってます!(^^)/
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おしまい